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誤解される水素エネルギー(2)

燃料電池の普及に伴って水素エネルギーが注目されるようになってきた。残念なことに水素について間違った解説に出会うことが増えてきた。身近に水素がないことから、水素は誤解されやすいようである。

 

毎日新聞がエネルギーミックスの議論に関する記事を掲載していたが、その中で経済学教授が水素を誤解していることが目に付いた。それは、「リスクの軽減と経済効率性、環境性を考えた戦略的な組み合わせは火力プラス再生エネ、さらに火力を水素燃料に替えていくことなのです」という意見であった。一見もっともらしい見解であるが、間違いは何か?

 

そうです、水素燃料が間違い。火力発電の燃料として水素燃料を用いればCO2を排出せず、環境に良いとの考えが間違い。地球上には水素燃料という資源はないのに、あたかも天然ガスや石油のように水素ガスが採掘されることが想定されている。これはあり得ない。

 

水を電気分解して水素ガスを得るならば、電力が要る。その電力は火力、水力、原子力などによって発電される。化学反応によって水素を得る場合、反応を促進するために熱が必要であり、その熱を得るために燃料が要る。要するに、水素燃料は電力や化石燃料を用いて生産される。その燃料として水素燃料を使ったら元も子もない。

 

水素ガス(H2)は分子の大きさが非常に小さい。分子が小さいと、小さな隙間があってもそこを通り抜ける。しかも、水素ガスは自然界で最も軽いガスであり分子である。従って、水素ガスは非常に漏れやすい。


例え、地球が誕生した時代に水素ガスが地球に存在していたとしても、長い年月の間に地殻を通り抜け、宇宙に消えてしまったはずである

上記の水素燃料の意見からフランス革命時代のマリーアントワネットの逸話を思い出した。マリーアントワネットは「貧乏な庶民がパンを買うことができず、パンを食べることができなくて困っている」という話を聞いたとき、「パンを食べることができなければ、ケーキを食べれば良いのに」と言ったとのこと。

 

上記の水素燃料の意見からフランス革命時代のマリーアントワネットの逸話を思い出した。マリーアントワネットは「貧乏な庶民がパンを買うことができず、パンを食べることができなくて困っている」という話を聞いたとき、「パンを食べることができなければ、ケーキを食べれば良いのに」と言ったとのこと。

 

 

大学教授の肩書きに惑わされて、大学教授が言ったことを簡単に信じてはいけない。大学教授といえども自分の専門以外の分野では素人である。

Maarie

マリー・アントワネットの画像

画像集より転載

参考

毎日新聞 特集ワイド:「忘災」の原発列島 再稼働は許されるのか エネミックスの議論、にじむ「結論」ありき(2015.3.18夕刊)

 

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